あなたに贈る「今日は何の日?」

インタビュー

今日のクリエイター × DAYS Book 365
世界に一つの「今日」を贈る #5 (前編)
ハイパーニットクリエイター
力石咲さん

街を毛糸で編み包む「ニット・インベーダー」や、世界各地の人とニットを介してつながる「旅するニットマシン」などのプロジェクトに精力的に取り組む、ハイパーニットクリエイターの力石咲さん。
11月24日がお誕生日のメディアアートアニメーターのご友人・モシ村マイコさんに贈られるDAYS Book 365は、その日付にも由来する、力石さんならではのインタラクティブな工夫が施されています。アレンジの紆余曲折を彼女のアトリエで伺ってきました。

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―ご友人のモシ村マイコさんへ贈るDAYS Bookですが、すでに毛糸ですごい厚みになっていますね!
 
はい(笑)。本に載っている写真や図版の中のある一部分と近い色の毛糸を編んで、形に沿わせるように接着剤で貼り付けることで、“飛び出す絵本”のようにアレンジしてみました。
たとえばこれは、国立天文台のアンテナ。細い糸で編んだのでなかなかうまく立たないんですけど(笑)。あと私は宇宙に関する話題が好きなんですが、この日はアポロ12号が帰還した日だったりして、勝手に嬉しくなりました。毛糸は基本的に輪っか状に編んでいるので、こうして覗けば中の写真も……見えます! 

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―お見事です。これまでのご活動でも、「ハイパーニットクリエイター」としてさまざまなものを編み包んできた力石さんですが、本と編み物を共存させるのは今回が初めてですか?
 
そうですね、初めてだと思います。以前、写真や絵の上に毛糸を貼り付けて、それをスキャンして遊んだことがあったので、今回のアレンジもその方向性でやろうかと最初は考えていたんです。でも、日付に関連するいろんな記念日や出来事を扱うこの本を眺めていくうちに、その内容と私が施すアレンジのテーマをどこかで関連付けたくなってきました。
私は普段から、自分一人では完結しない作品やワークショップを手がけることが多いんですね。街の中にあるものや人との関係性の中でニットを使ったインスタレーションを作ったり、時間をかけて作品そのものが変化していくようなプロジェクトをこれまでも続けてきました。

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マイマイ(モシ村マイコさん)の誕生日の11月24日は「進化の日」。このことを知って、せっかくならマイマイにもこの本の中にある編み物の続きを一緒に編んで進化させてもらえたらいいなと思ったので、最初のページにレーザーカッターで切り出したオリジナルのかぎ針を付けました。一番ポピュラーで使いやすい「8号」という太さのもの。中のページで使った毛糸も、何玉かセットにして贈るつもりです!

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―すごく素敵なコンセプトです。
 
最終的に、本が自立するぐらいのボリュームになりました。マイマイには、これをもっと分厚くしてもらえれば!
 
(後編に続く)
 
 
力石咲(ちからいし・さき)
1982年2月12日生まれ。ハイパーニットクリエイター。2004年、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業。屋内外の公共空間へとニットが拡張、点在していくインスタレーション「ニット・インベーダー」などを展開し、人と街とのより密接なコミュニケーションの形成に興味を持ちながら編み物をコミュニケーションメディアとして活用している。著書に『世界を編みくるむ』(2016年、洋泉社)。
http://www.muknit.com/
 
撮影/土田祐介

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